システム開発の見積書の見方|人月と一式の違い、確かめておきたい 5 つのこと

公開

システム開発の見積書を受け取ると、「要件定義」「基本設計」「プロジェクト管理」といった行がずらりと並んでいることもあれば、「〇〇システム開発 一式」と 1 行だけのこともあります。どちらにしても、その金額が高いのか安いのか、何に払っているのかは、見積書を眺めているだけではなかなか分かりにくいですよね。この記事では、見積書を受け取ったときに確かめておきたいことをご紹介します。

見積もりの出し方は、大きく 2 つ

システム開発の見積もりには、大きく分けて 2 つの出し方があります。

出し方金額の決まり方見積書の見え方
人月で積み上げる作業量(人月) × 単価工程ごとに行が並ぶ
まとめて金額を出すできあがるもの全体に対して、金額を決める「〇〇システム開発 一式」のように 1 行にまとまる

どちらが良い・悪いというものではありません。それぞれ、見るところが少し違います。

人月で積み上げる見積もり

人月(にんげつ)とは、1 人が 1 か月働く作業量のことです。

金額 = 作業量(人月) × 1 人月あたりの単価

たとえば「3 人が 2 か月」なら 6 人月で、それに単価を掛けたものが金額になります。工程ごとに行が並ぶので、どの作業にどのくらいかかるのかが見えやすいのが良いところです。

その一方で、金額はつくるものの大きさだけでなく、関わる人の数でも変わってきます。作業が想定より長引いたときに、どう扱われるのかも聞いておくと安心です。

まとめて金額を出す見積もり

こちらは、工程ごとの作業量ではなく、できあがるもの全体に対して金額を決める出し方です。見積書には「一式」と書かれることが多く、作業が想定より長引いても、金額は変わらないのが一般的です。

この出し方で大切なのは、その金額が、何をつくることに対するものなのかです。どんな画面があって、どう動くのかが仕様として決まっていれば、1 行の見積もりでもまったく心配はいりません。

よく並ぶ工程と、その中身

人月の見積もりでよく見かける行と、その中身です。1 行にまとまった見積もりでも、この中のどれが含まれているのかを聞いてみると、範囲がはっきりします。

工程中身
要件定義何をつくるかを決める
基本設計・詳細設計どんな画面・データ・仕組みにするかを決める
実装(開発・製造)実際にプログラムを書く
テスト決めたとおりに動くか確かめる
データ移行今のデータを新しいシステムに移す
プロジェクト管理進捗や人の管理
導入・教育使い方の説明、操作の手順書

確かめておきたい 5 つのこと

1. 何が含まれて、何が含まれないか

見積もりでよくあるのが、「含まれていると思っていたものが、実は別料金だった」というすれ違いです。とくに次のものは、見積もりに含まれていないことがあります。

  • 今のデータの移行
  • サーバーやクラウドの費用
  • 納品後の運用・保守
  • 外部サービスの利用料

どれが含まれているか、契約の前にひとつずつ聞いておくと安心です。

2. 何をつくるのかが、決まっているか

どちらの出し方でも、何をつくるのかが決まっていない段階の見積もりは、あくまで概算です。正式な見積もりなら、どんな画面があってどう動くのかが、仕様書や画面の試作品といった形で決まっているはずです。見積もりと一緒に、その中身を見せてもらえるか確かめてみてください。

3. 変更したときの扱い

着手後に仕様を変えたくなったとき、追加費用がどう計算されるかも聞いておくと安心です。変更の回数や、どこからが追加になるかの線引きが書かれていると、あとで困りません。詳しくは仕様変更と追加費用の記事でご紹介しています。

4. 運用にかかる毎月の費用

開発費が安くても、運用の費用が高いと、何年か使ううちに逆転してしまうことがあります。比べるときは、開発費に運用費の 3 年分、5 年分を足した総額で見てみるのがおすすめです。運用の費用については保守・運用費用の記事にまとめています。

5. 作業が長引いたとき、金額はどうなるか

人月の見積もりでは、作業が想定より長引いたときに、そのぶんが追加になることがあります。まとめて金額を出す見積もりでは、決めた仕様の範囲なら金額は変わらないのが一般的です。どちらの場合も、「確定した仕様の範囲で、着手後に金額が変わることはあるか」を聞いておくと、予算が立てやすくなります。

相見積もりを取るときのコツ

何社かに見積もりをお願いするときは、同じ内容でお願いするのがコツです。伝える内容が会社ごとに違うと、金額の差が会社の違いなのか、伝えた内容の違いなのか、分からなくなってしまいます。

また、出し方の違う見積もりどうしは、見た目が違うので比べにくいかもしれません。そんなときは、行の数ではなく、何をつくるのか、何が含まれているのか、あとから金額が変わることがあるのか、の 3 つを並べて比べてみてください。

KAIZEN開発の見積もり

私たち KAIZEN開発では、規模ごとの料金表を先に公開していて、見積もりはその範囲でお出ししています。

  • 見積もりは、仕様を確定してから、つくるもの全体に対する金額でお出しします。ご相談から仕様の確定、お見積もりまでは無料です。
  • 何をつくるのかは、打ち合わせページ上で確定した仕様と、触れる画面試作品で決まっています。規模と金額と進め方は、お申し込みの内容に書いてあります。
  • 見積もりに載るのは、設計・実装・テスト・セキュリティ対策・納品後の運用です。営業担当や中間マージン、進捗管理のための管理職の費用は、もともと持っていません。
  • サーバーなどの実費は、開発費や月額とは別になります。着手前に目安をお伝えします。
  • 確定した仕様の範囲でつくる作業について、作業が想定より長引いても、着手後に金額が変わることはありません。

まとめ

システム開発の見積もりには、人月で積み上げるものと、まとめて金額を出すものがあります。どちらの場合も、金額が妥当かどうかを見るときは、合計だけでなく、何をつくるのかが決まっているか、何が含まれて何が含まれないか、変更や運用の費用がどう扱われるかもあわせて確かめておくと安心です。

「手元の見積もりと比べてみたい」というご相談も大歓迎です。相談フォームからお気軽にお送りください。

「この作業、システムにできるのか」から、ご相談いただけます。相談・仕様の確定・お見積もりまで無料です。